海外山登りブログ

アラサー。2016年12月キナバル山、2017年1月キリマンジャロ、8月エルブルース登頂、12月アコンカグア敗退。2018年9月マナスル登頂。2019年エベレスト狙います。

エルブルース

 ご無沙汰しております。約半年ぶりの更新となりましたが、山はサボっていた訳ではなく月2回ほどのペースで日本の山に行っていました。前回の記事でも書いた通り、キリマンジャロの次としてはヒマラヤの6000m級の雪山に行く予定でしたが、モンスーンの都合上ほとんどのツアー会社は5月か10月あたりしか催行しておらず、4月に日本に帰国したばたばたでヒマラヤはとりあえず断念。

 

 そこで、次に考えたのがヨーロッパのマッターホルンモンブラン、ロシアに位置するエルブルースあたりの雪山。人気や知名度を考えると前の二つだけど、標高が4400mと4800mなので経験を積む山としてはどうかなと思い、ある程度標高のある5642mのエルブルースを選択。キリマンジャロと同じ世界七大陸最高峰の一つでもあるのも決め手だった。

 

 行程としては4000mの山小屋を起点に3日ぐらい途中まで登り降りし、高所順応をし最後のに日に一気に頂上まで行ってしまう感じ。キリマンジャロよりは若干楽そうだが、問題は寒さ。-12℃ぐらいで、風があると更に下がり体感温度は-20℃になることも。しかし、これぐらいは厳寒期の八ヶ岳で体験してイメージはできるが、エルブルースの場合は高所の為、それに加え酸素が薄くなることで血流も悪くなり体感温度は更に下がる。私は高山病に弱い為、この点が若干心配である。

 

 今回は高所の雪山ということで、新規でいろいろと雪山ならではの装備を買いました。

 「ダブルブーツ」靴の中で靴を履く。真ん中の小さい靴を履いて、隣の靴に足を突っ込みます。高かったです。

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 「ゴーグル」吹雪対策

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 「ミトンのグローブ」グローブとしては最強の温かさ

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 「マウスピース」小屋なので、自分のいびき対策。依然、キナバル山の山小屋で自分ではない人のいびきがうるさく、同部屋の他の人がその人を殺すんじゃないかぐらいの勢いでキレていた為。

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では、行ってきます。

 

 

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八ヶ岳・硫黄岳

      キリマンジャロから3週間が過ぎた。現在次に行きたいと思っている山は、ネパールのヒマラヤ山脈の6000m級の山のいずれか。キリマンジャロはおよそ5800mで単純に次はそれより高い山に登りたいし、トレッキングは飽きたのもある。なによりヒマラヤの雪山に登るというのは、雪山の技術も必要だし1ヶ月弱の日程も必要だ。ここをクリアできたら私の中では、今後はどこに山でも登れる下地、あるいはスタート地点に立てるという考えでいる。

 

       ということで、ツアー会社等が提供する雪山初心者講習を受けた。催行10日前になって申し込みは私しかいなく、催行しないという連絡が来たがそこしか日程が空いてなかったので、ツアー形式ではなくプライベートガイドとして個人的にガイドを雇うことで無理矢理開催にこぎつけた。1泊2日でおよそ10万円だったが、私含め友人3人を急遽呼んだ為、自己負担は少なく済んだ。

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         コースは八ヶ岳の硫黄岳を山小屋泊まりで1泊2日で登るというもの。当日の天気は−15度ぐらいでリュックから物を取り出す際、手袋を取って取り出していたらものの数分で指先に激痛が走った。人間の身体は寒いと末端神経まで血液が回らなくなるらしい。20分ぐらい歩いかないと指先の痛みは治らない。手袋を付けたまま5分立ち止まるだけでも同様の事が起きる。ちなみに手袋は厳冬期専用の手袋で2枚重ねで、価格は2万円弱もするものである。

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          山小屋は赤岳鉱泉で土曜日ということもあり、200人超の満員。小屋に入ると、明日私達が行くコースで本日雪崩があったとに情報があった。更に金曜日には隣の阿弥陀岳で早稲田の学生が滑落して亡くなっていた。ちなみに7大陸最高峰に19歳で登った早稲田の南谷真鈴さんも去年か一昨年、阿弥陀岳で滑落し九死に一生を得た。それでもこの山の満員ぶりを見ると、人間の冒険心の強さを思い知らされる。

 

         翌日の早朝、山小屋を出発し頂上までは3時間ぐらい。2時間ぐらい歩き森林限界を超えると風を遮るものが無くなり、一気に風が強くなり体感温度もぐっと下がる。目だし帽で顔を覆っていたが、皮膚が出てる部分は寒いというより痛い。ドライアイスを直接付けられてるみたいだ。ガイド登山ということでロープを念の為、付けて登ったがロープ無しでコケたら、死ぬようなところもあった。私は森林の中でアイゼンを靴紐やズボンに引っ掛けて数回転んだので、ここで転んでしまったらと思ったゾッとした。

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        頂上では写真をささっと取って下山。下りは4時間ぐらいだったが、アイゼンで逆ハの字の形で歩いていたので、内股が痛くなり階段を登るのもきつかった。他にも靴が合わなく足裏が痛くなったりと初の雪山ならではの不調がいくつかあった。

練習の為、3月もまた違う雪山を登ろうと思う。

 

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キリマンジャロ6日目 3100mムウェカキャンプ〜1800mムウェカゲート

朝、7時に起床し食事をし8時30分に出発。今日は4時間ほどの道のりで昨日と比べると、かなり楽。昼前にゲートに到着し、キリマンジャロ登山は無事終了。私が利用した現地のツアー会社は日本人が経営してるので、ランチボックスに梅の入ったおにぎりと冷えたビールがが出てきて今までの食欲の無さが嘘のように食が進んだ。タンザニア料理ももちろんおいしかったが、ずっとだと飽きてくる。自分の好きな食事の大事さに気がつかされた。

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  あと後遺症としては、私は、唇の日焼け(皮がベロベロに向けて食事も痛い)、鼻の中が痛い(砂埃で鼻が傷付く?)、連れは、咳が止まらない(喉に砂ぼこりが入る)、顔の日焼けがありました。サングラス、日焼け止は必携です。

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  登ってる途中はもう二度と登らないと思ってたし、ガイドに「次はいつ来るんだ?」とか聞かれ「20年後に息子と来るよ」とはぐらかしたが、1週間経った今、また登ってみてもいいかなという気持ちになっている。私がたんなる馬鹿なのか山に麻薬があるのだろう。また近いうちに海外高所登山をしよう思う。

 

   

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キリマンジャロ5日目 4673mバランコキャンプ〜5895mウフルピーク〜3100mムウェカキャンプ

    夜11時に起こされ、軽く食事を取り出発の準備をする。4時間ぐらいしか寝れてない。そして12時にスタート。

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キツイ  しぬ  帰りたい  眠い

 

    歩きながら、来た事を後悔していた。引き返したくても、暗闇で下るのもきつそうだから進むしかない。連れは眠りながら歩いていて、何度も倒れそうになっていた。幻覚で岩がテントにも見えた。高山病の症状は人によって違うようだ。富士山でも幻覚を見たので、どうやら幻覚癖があるみたいだ。道は終始、自転車の坂道を漕いでる感じで15分歩いては岩に座って休む。ガイドが長く休むなと何度も言ってくるが、「もうちょっと休まなきゃ歩けない」「行くぞ」20秒無視……………私「オーケー、アイムレディ」の繰り返し。

 

https://m.youtube.com/watch?v=JMMkbcqMEXQ

イッテqキリマンジャロ頂上アタック

   

    ただひたすら前を行くガイドの足元を見ながら歩く。何も考えず、機械のように足だけ動かす。昔の奴隷もこんな感じだったのだろうか。5時間半ほど歩いた後、ガイドが「almost there!」と何度も言い始めた。ようやく着くかと思い、連れを見ると涙を流している。苦しすぎて息が全然できないらしい。そして、ようやく頂上に到着!

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      と思って写真を撮ってたら、他の登山客は先にどんどん進んでいく。ガイドに聞いたら頂上まであと1時間だという。almost thereって言われたら普通頂上だと思うだろう。ここで連れが休んでいると、ガイドが「さあ早く行くぞ」言うと、連れが「あなたが急げ急げ言うから、こっちはまともに息が出来ないのよ!」と反論した。そしてガイドは「OK….もうちょっとだけ休もう」。終始急かされたが、意味がわからなかった。

 

      いつの間にか空は明るくなっていて、暗闇よりはいくらか気が晴れる。何度も休憩しながら、ようやく本物の頂上に朝7時に到着。頂上から見る景色は最高だという気力も無く、記念写真だけをとってささっと下山開始。

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     下ってる途中、前日にあった日本人らしき女性とすれ違うが向こうもこっちも死にそうな為、会話無し。男がいなかったが、高山病で下山したのだろう。ちなみに2時間後、彼女は颯爽と私を抜かしていった。

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    足の筋力がが機能しない中、3時間かけ元のキャンプに戻った。そこで1時間休憩し、4時間掛け,最終宿泊地である3100mムウェカキャンプに到着。疲れがピークに達していたので、人から声を掛けられても何も答える気力はなかった。疲れ過ぎて、ストックを岩にぶん投げたい衝動が何度もあったが、我慢した。

 

     あまりにも疲れていたので、食事をした後はすぐ寝た。

 

 

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キリマンジャロ4日目 3900mバランコキャンプ〜4673mバラフキャンプ

    今日は10kmを8時間掛けて、4673mの標高まで行く。30分ごとのアップダウンが続き、今までの三日間がウォーミングアップかのように一気に辛くなり、今日は何も考えられなくなる。なかなか足元が悪い岩場で、ポーターも足を滑らせ荷物を落としてしまうような場所だった。

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     そして、昼食を取っていた時アジア人のおじいさんがこんにちはと話しかけてきた。話しを聞くと彼は71歳で香港人で1人で来たらしい。高齢の事もあり、愛嬌のあるキャラクターで気が付けば彼はみんなから囲まれ、輪の中心になっていた。

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    その後はキツイながらも淡々と歩き続け、15時ぐらいにバラフキャンプへ到着。頭はそこそこ痛いが、我慢できるほどだ。ちなみに先ほどのおじいさんは夕方にバラフキャンプ到着したのを遠目に見た。ガイドに聞いたらおじいさんは一泊順応して明後日登るらしい。是非登頂してほしい。

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     夕食前にトイレに向かっていたら、日本人らしきバックパッカー系カップル2人組を見かけた。すれ違いざまに声を掛けようと思ったが、男の顔が青ざめていて、2人とも覇気がなく話し掛けれないオーラがすごかったので、話し掛けなかった。

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    ガイドの食事強要の件は、何度も言ってるだろう!何故、毎回同じこと言うんだ?と強めの口調で言ったせいか和らいでいった。と、彼の悪いところばっかりフューチャーするのは良くないので、良いところを上げると、時間に遅れても全く怒らない。優しい。真面目。時間も遅れに寛容なの一番いい。

 

   さあ明日は夜12時出発で頂上アタックだ。地獄を味わう覚悟はできた。

 

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キリマンジャロ3日目 3750mシラキャンプ〜4600mラヴァタワー〜 3900mバランコキャンプ

    夜は0度近辺まで下がり、寒過ぎて何回も起きた。朝の寒さが大の苦手なので、ここにいるのを後悔したがなんとか起きて準備。

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    今日は高度順応日でラヴァタワーまで歩き、バランコキャンプまで下る計8キロ6時間の行程だ。朝起きた時は高山病の症状も無く、キリマンジャロはこんなもんかと思ったが、1時間ぐらい歩いたら頭が痛くなってきた。とりあえずこれ以上悪化しない事を祈りながら、ラヴァタワーまで4時間歩く。ランチタイムでもガイドは全部食え食え、なんで食べないの?と何度も聞いてきてしつこい。アフリカ人や欧米人の胃のサイズとは違うとかこれ以上食べたら身体重くなるとか説明したが、納得しない表情。下山するまでこの繰り返しだろう。

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    ラヴァタワーでランチを食べ終わり、バランコキャンプまでの700mを2時間で下る。下りで筋肉痛になる事多いので、ゆっくり歩く。連れは鳥や植物に感動していたが、私にはその感性が無く、早く頂上に到着し家に帰りたいと思っていた。だったら、何の為にここにいるんだろうということになり頭の中でぐるぐると考えていた。

 

  とりあえず私が出した結論は、人生のイベント作りの為ということとそれを計画、実行することにより日常の生活に意味を持たせるということ。社会人になり、同じ生活が続きその後の人生が見えてきて生活に張りがなくなる。そこに難易度の高い山に登るという目標を入れることで、イベントができその為のトレーニングや頂上に登頂する姿を想像することによって短期間の期間であっても日々の暮らしに意味が出てくる。その他の事でも同じだ。私が感動の沸点が低いタイプだったら、こんなこともせず楽しく暮らせていただろうが、逆に感動や感受性が鈍いタイプだからより大きな刺激も求めてここまで

来れたのだろうと前向きに考える。

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     そんなことを考えながら、バランコキャンプまで到着。テントに入り、座っていると頭痛がひどくなってきたことがわかった。普通に歩くと頭が痛いので、ゆっくりしか歩けない。1日2錠のダイアモックスを4錠に増やし、水をたくさん飲み、呼吸を強く吐くことにひたすら努めた。何が功を奏したかわからないが、2時間後頭痛が和らいだ。

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この日は終始腹の調子が良くない。原因は恐らく毎朝ポーターから水をもらってるが充分に煮沸されていなかったのだろう。臭い臭いがした。やはり水でも食べ物でも腐さを感じたら口にしたらいけなかった。夜中に腹がぎゅるぎゅるして、ブフォっと漏らす夢で起きた。朝起きた時に若干濡れた感覚があったが、こわくて夢かどうかは結局確認しなかった。

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キリマンジャロ2日目 2850mマチャメキャンプ〜3750mシラキャンプ

    今日は朝6時に起床。トイレに一回起きたぐらいであとはぐっすり9時間寝れた。寒くてトイレまで行くのは面倒だったので、テントのそばで用を足した。テントから出る動作だけで心臓がバクバクしたので、不安になったが最初だけだった。

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    朝食後、7時半に出発。今日は5時間掛けて750mを登るコース。たまにきつい傾斜があるぐらいで基本的には緩やかな登り坂。たまに息が切れるが、ダイアモックスとポレポレ(ゆっくり)のおかげで高山病の症状も出ず。景色も代わり映えせず、退屈な5時間だった。かなり太ってるポーターらしき人が下山していったが、彼は初日の業務で高山病になってしまったのだろうか。


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     12時半に到着し、昼食。タンザニアの文化では食事を残すのが好ましくないらしく、何度断っても食べろ食べろと言ってくる。郷に入れば郷に従えの精神で食べていたが、さすがにイライラしてきたので次からはきっぱりと断ろうと思う。その他の事も含めてだが、私は必要以上に干渉してくるタイプとは相性が合わない。

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      その後はやる事もなく散歩したり、本を読んだりして適当に過ごした。本と言っても漫画だが。日経マネーと投資本2冊持って行ったが、酸素薄いせいか頭が働かず読む気にならず。結局最後まで読まなかった。私の連れは私とは正反対の性格なので、ポーターの皿洗いを手伝ったり、タンザニア公用語を教えてもらっていたり精力的に動いていた。

 

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   今のところは食欲もかなりあり、ただ眠いぐらいだが3800mの標高で寝る為、明日の朝から症状が出る人が多いらしいので少し心配だ。

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